■デザインフェスタの印象
ここにあるほとんどの絵は2011年のデザインフェスタの為に描いたものばかりだ。
小さなブースなので小さなものを描いた。
勿論、普段は大きなものも描く。描きつつも小さなサイズを中心とした去年の活動だった。
そこではブースのデザインを良くするために大きなサイズのものは一つしか出していない。
デザインフェスタと言う場所は個展等とは違い、雑多な、色々な興味を持った個性のある人たちが沢山集まって来る。
私はブースで準備をしているので見てはいないが、開館前に2日間共に人が並ぶほどのようだ。
『雑多な人たちがいるから面白い。』
興味を持って見てくれる人、通り過ぎる多数の人、若い人が多い気がするが年齢も関係なく足を運ぶ。その中でどれだけの人が足を止めてくれるのか、何と言ってくれるのか、個展は個展の良さがあるが、今の私にはこっちの方が面白い気がする。
個展とは違う事がもう一つある。
雑多な人が来る中、ほとんどの人が、これが一番いい、と評価するものが全て違った。
人の好みはそれぞれだと言う事を実感した。
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そして私がなぜ『ことばはいらない、私にとってことばは視覚』と冒頭に書いているか、という理由がある。
確かに、私の描くものは抽象的なものが多く、感覚で捉えて貰わないとならない。
形が見えないからだ。
多分、絵の題名から絵を想像する人が多数だと思う。
ただ、本当の事をいうと題名も付けたくない位だが、そんなことは今のところ別にいい。
題名はその絵の名刺みたいなものだから。
『私は○○といいいます』
と絵は言う。
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その中で一日目一番早く足を運んで下さった方がいる。
以下の事を言うのは差別とは思わないでほしい。全くそうは思っていない。
その方は話す事が出来なかった。
だが、伝わるのだ。言葉を使わないだけにより伝わるのだ。
『この絵がいい、一番他の人のよりもいい。』
『写真を撮らせてもらってもいいですか?』
全てジェスチャーのみ。
これも言葉と言えば言葉なんだろうが、多分彼は伝わらないだろうと意図して
何度も同じジェスチャーを繰り返した。
私は何度も頭を下げた。
『ありがとうございます』、を伝える為に。
言葉はいらない。
充分に伝わる。
絵からもそれを読み解いてくれる。
それは私にとって最高の評価であり教訓だった。
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デザインフェスタという場所への初めての参加は、新たな発見を沢山くれた場であった。
何でもいい、とにかく誰かの心にImpressionを持たせることができるのならば。
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